リウマチとは
関節リウマチは、関節の炎症が続くことで軟骨や骨が破壊され、関節が変形したり、関節機能に障害が起こったりする病気です。
関節が一度破壊されてしまうと、もとの状態に戻るのはむずかしいといわれているため、小さな症状でも見逃さないようにすることが大切です。
関節リウマチが悪化すると、治療の効果が出にくい場合もあるので、早期診断・早期治療が重要です。
関節リウマチの患者さんは、日本に70万~80万人いるといわれています。
女性に多い病気で、男女比はおよそ1:3との報告もあります。
特に40代で診断を受けることが多く、60代までは年齢とともに患者さんの数が増えていくことがわかっています。
※2 厚生労働省「リウマチ・アレルギー対策委員会報告書(2011年8月)
※3 Yamanaka, H. et al. : Mod Rheumatol., 2014, 24(1), 33-40.
日常生活への影響
関節リウマチになると、手や足だけでなく全身に不調が現れることがあります。
次のような症状がないかチェックしてみましょう。
- 朝目覚めると手がこわばっている。
- 食事や洗顔などの日常の動作をスムーズに行えない。
- 関節が痛くて眠れない。
- 関節が腫れてブヨブヨしている。
- 重い物を持つと関節が痛む。
- 階段の上り下りで痛みが出る。
- ビンのふたやドアノブを回すのがつらい。
- だるくて力が入らない。
- からだが鉛のように重い。
- 眠気がして横になっていたい。
ある程度進行すると、関節リウマチの特徴的な症状が現れはじめますが、早い段階では「からだが重い気がする」「なんとなく痛む」など、ぼんやりとした不調であることも少なくありません。気になることがあれば、早めにリウマチ専門医に相談しましょう。
リウマチの原因
免疫システムが自分を攻撃してしまう病気
すべての原因が明らかになっていませんが、関節リウマチは自己免疫疾患のひとつであると考えられています。
自己免疫疾患は、からだを異物から守るための免疫システムに異常が起こり、
自分のからだを敵とみなして攻撃することで、さまざまな症状が引き起こされます。
関節リウマチでは、関節に炎症が起こることで痛みや倦怠感のほか、こわばりなどの全身にわたる症状が現れます。
リウマチの症状
関節リウマチでよくみられる症状は?
- 初期の段階では、朝のこわばりのほか、関節の腫れや痛みが現れます。
- 症状は左右対称に出ることが多く、腫れている部位がブヨブヨしていてやわらかいのも特徴です。
- 症状が進行すると、関節が変形して動かせる範囲が制限されることもあります。
- また、関節の症状だけでなく、倦怠感や疲労感、微熱、体重の減少、貧血といった症状が見られる場合もあります。
そのつらさは、他人にはなかなかわかってもらえないことがあります。
早期診断と早期治療が重要なポイントに
軟骨や骨の破壊は、発症して半年~1年の早い時期から進行するといわれています。
症状が進むスピードには個人差があり、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返す患者さんもいれば、軽い症状がずっと続く患者さんも多くみられます。
また、一度破壊された関節はもとの状態には戻らず、さらに症状が進行すると日常的な動作がむずかしくなることもあります。ただし、早期からの積極的な治療によって、症状が落ち着いて安定しやすくなる(寛解)ことが知られています。
*イラストは中外製薬会社、アステラス製薬会社から引用